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JOURNAL

20.10.09

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FEATURE:RECYCLE ROBIC LINE

FEATURE:RECYCLE ROBIC LINE SATOSHI YAMANE’s THOUGHTS

■リサイクルロービックライン(サスティナブルライン)を作った経緯

僕らの製品はほとんどがケミカルなものばかりで最初は全くリサイクルに興味がありませんでしたが、とあるイタリアのサスティナブルのブランドからゲストデザイナーとして依頼を受けました。それがきっかけで、リサイクルのことに興味を持ち、色々調べていくうちに、私たちの使用しているポリエステルや、ナイロン素材は地球にやさしくない素材だということがわかりました。そこから、今あるものを見直し、出来るだけリサイクルの原料を使うようになったのがきっかけです。

僕達は機能性があることを一つブランドのDNAにしていますが、このRECYCLE ROBIC AIR LINEは撥水機能があります。特に軽さには徹底的にこだわっていて、特注で中空糸(中の糸を空洞状にする事)にしたり、ハーネスや、ショルダーパッドなどに使っている芯材を軽いものにしたり、形状記憶のウレタンEVAフォームにして体にフィットする素材にしたりなどにこだわっています。それにジッパーのスライダーも普通は樹脂やプラスチックなんですが、アルミを使って軽量化かつ耐久性もあるものにして工夫しています。

いつも鞄を制作する上でこだわっているのは、背負った時のフィッティングと、見た目です。
マニアックな拘りは細かくいっぱいありますが、鞄屋さんが考えるショルダー部分のハーネスと自分が考えるハーネスの考え方は少し違います。通常のバッグよりもF/CE.のバッグは7cmぐらい長く作ることによって、下めに背負う人でも違和感がなくなるように設計しています。これは、おそらく着用した時のシルエットなどを考えていく洋服の考え方と共通する部分があります。中に入っているEVAとポリウレタンは2枚固さが違うものを貼り合わせて内側を柔らかくしています。 ファッション性だけを追求しているわけでなく、本当は背面とショルダーの素材を同じ部材を使うとコストも安くて、作業工程も効率化されるですが、ここは全然厚みが違うものを上下で使っています。スーツのデザインを勉強していたこともあるので細部をとても大事にしています。僕はプロダクトはのっぺりした平面的なシルエットが好きではないので、背負った時に立体的になるように型紙を作るのを意識しています。

ユニセックスで女性が背負っても大きすぎないサイズ感になっているのに拘っています。荷物は沢山入るように工夫し、他にも背面のパーツを真直ぐなパターンでなく、真ん中の幅を一番狭くしたひょうたん型にすることで背負ったときに横にでっぱらないように設計しています。洋服のシャツのパターンと一緒で型紙の設計も上手じゃない人がやると平面になりがちなんですが、パタンナーと一緒に適当な生地や紙でモールド型をいくつか試作して「ここはあと1cm長くして。」とか「5㎜出して。」とか、「このフィッティングが嫌だから違うパーツを貼り合わせたやつ一回作ってみて。」とか試行錯誤しています。ここに一番時間がかかります。 元々バッグを作ったことがなくて、自分が好きなビンテージの鞄などをばらしたりして、構造を研究しました。あとは工場選定にも時間を費やし、理想の工場と出会うまで時間もかけました。RECYCLE ROBIC AIRは一見生地が80年代のナイロンのようにシャイニーで、発色も良いのですが、その裏側に強度と摩耗性などの耐久性、中空糸にすることにより、軽さも表現している機能素材です。

■PICK UP ITEM

左のZIPはアイコス入れにしています。右のZIPからは中のルームにアクセスできるようにしています。グラスケースやモバイルチャージャーを入れるポケットを作るなど細かく分類できるようにしています。 グラスケースはサングラスが中で傷つかないようにネオプレン素材を使用しました。

あとは、この部分のウエビングテープの調整をするとハーネスがアーチ状になってフィッティングが良くなります。鞄のハーネスも体に沿っている方がフィッティングが良いので、できるだけ立体的な設計にすることに気を使っています。

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